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マウスピース矯正で虫歯になる?原因と効果的な予防法を徹底解説

マウスピース矯正を検討している方や、すでに治療を始めている方の中には「マウスピース矯正をすると虫歯になりやすいのでは?」という不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

透明で目立ちにくく、取り外しができるマウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比べて多くのメリットがあります。しかし、長時間の装着が必要なため、適切なケアを怠ると虫歯のリスクが高まる可能性があるのも事実です。

私はココロデンタル西麻布の理事長として、多くの患者様のマウスピース矯正治療に携わってきました。その経験から、マウスピース矯正中の虫歯リスクと、それを防ぐための効果的な予防法について詳しくお伝えします。

マウスピース矯正前に虫歯が見つかった場合の対処法

マウスピース矯正を始める前には、必ずお口の中の状態をチェックします。

もし虫歯が見つかった場合、基本的には虫歯治療を優先して行います。これには明確な理由があります。

マウスピース矯正では、治療開始前に歯並びや歯の形のデータを取得し、それに基づいて治療計画を立てます。途中で虫歯治療によって歯の形が変わってしまうと、作製したマウスピースが合わなくなり、治療がスムーズに進まなくなる可能性があるのです。

軽度の虫歯であれば、詰め物による治療を行った後、歯の形に合わせてマウスピースを作製します。一方、虫歯が深く神経まで進行している場合は、根管治療が必要となり、矯正治療を開始するまでに数週間から数ヶ月かかることもあります。

虫歯は早期治療が大切です。口腔内を清潔にした状態でマウスピース矯正を始めることが、治療を成功させる第一歩となります。

マウスピース矯正中に虫歯になりやすい理由

マウスピース矯正は、基本的に1日20〜22時間以上の装着が推奨されています。

長時間マウスピースを装着することで、歯が唾液に触れる時間が短くなります。唾液には、歯に付着した汚れを洗い流す「自浄作用」や、口の中を中性に保つ「緩衝作用」、初期の虫歯を修復する「再石灰化作用」があります。マウスピースが歯を覆うことで、これらの唾液の働きが妨げられてしまうのです。

唾液の働きが妨げられることによる影響

マウスピースを装着していると、歯の表面に唾液が行き届きにくくなります。その結果、細菌が繁殖しやすい環境になり、虫歯のリスクが高まります。特に就寝中は唾液の分泌量が減少するため、細菌が活発になりやすい時間帯です。

マウスピース自体が不衛生になりやすい

マウスピース自体の清潔さも重要です。十分に洗浄せずに装着すると、細菌がマウスピースの内側で繁殖します。歯磨きを丁寧に行っても、マウスピース自体に細菌が付着していると、虫歯になる可能性があります。

間食が多いと虫歯リスクが高まる

間食の回数が多いと、口腔内が長時間酸性の状態に傾き、虫歯になるリスクが高まります。特にマウスピースを装着したまま糖分を含む飲食物を摂取すると、マウスピース内部に糖分が閉じ込められ、細菌のエサとなってしまいます。

ただし、マウスピース矯正は自分で取り外すことができるため、ワイヤー矯正などと比較すると虫歯になりにくいとされています。適切なケアを身に付けることで、虫歯を予防することができます。

マウスピース矯正中に虫歯が見つかった場合の対処法

マウスピース矯正には、症例によって5ヶ月〜2年程度の治療期間が必要です。

治療中に虫歯ができてしまった場合、虫歯の進行度によって対応が変わります。虫歯が初期段階で、治療によって歯の形が大きく変わることがない場合は、虫歯治療中のみマウスピースを外し、治療が終了したら再度装着することで、矯正に影響することなく虫歯治療を行うことができます。

しかし、虫歯が進行してしまっている場合(抜歯や根管治療が必要など)は、マウスピース矯正を一度中断して虫歯治療を優先することがあります。詰め物や被せ物によって歯の形が変わると、それまで使っていたマウスピースが合わなくなるケースもあります。

その場合は、マウスピースを作り直さなければなりません。作り直すまでには、2週間から1ヶ月程度かかります。

もし、マウスピース矯正と違う痛みがあったり、見た目に変化があったら、早めに歯科医師に相談しましょう。せっかく始めたマウスピース矯正が中断とならないためにも、虫歯予防をしっかり行っていくことが大切です。

マウスピース矯正中の虫歯予防法

マウスピース矯正中に虫歯を予防するためには、毎日の丁寧なケアと生活習慣の見直しが欠かせません。

以下の予防方法を実践することで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

飲食中は必ずマウスピースを外す

飲食する際には必ずマウスピースを外しましょう。マウスピースを装着したまま飲食をしてしまうと、食べかすや糖分が歯とマウスピースの間に残ってしまい、虫歯になりやすくなります。

糖分の入っていない水を飲む際はマウスピースを外さなくても問題ありませんが、ジュースは糖分が多いため、面倒であっても適宜外して飲むことが大切です。

積極的に水を飲む

長時間マウスピースを装着していることで、口腔内が乾燥しやすくなります。乾燥により虫歯菌などの菌が繁殖しやすくなるため、水をこまめに飲むことが大切です。

水をこまめに飲むことで、口腔内の乾燥を防げ、体内に水がしっかり吸収されることで、唾液分泌の促進にもつながります。

マウスピース装着前は必ず歯磨きをする

マウスピースを再び装着する際は、必ず歯磨きをしましょう。汚れた状態の歯にそのままマウスピースを装着してしまうと、歯に唾液が届かず、虫歯ができやすくなります。

外出先などで歯磨きが難しい場合は、最低でも口をゆすぐようにしてください。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを完全に取り除くことはできません。デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯ブラシでは届かない部分の汚れもしっかり除去できます。

特にマウスピース矯正中は、歯の表面にアタッチメントがついている場合もあり、その周辺も汚れが溜まりやすいため、丁寧なブラッシングを心がけましょう。

フッ素塗布をする

フッ素には、歯の表面を強化し、虫歯になりにくくする効果があります。フッ素入りの歯磨き粉を使用したり、歯科医院でフッ素塗布を受けたりすることで、虫歯予防効果を高めることができます。

マウスピースのお手入れをする

マウスピース自体の清潔さを保つことも重要です。毎日のお手入れ方法と、洗浄剤を用いたお手入れ方法を組み合わせることで、マウスピースを清潔に保つことができます。

毎日のお手入れ方法・・・マウスピースを外したら、水で洗い流し、柔らかい歯ブラシで優しく磨きます。熱湯は使用しないでください。マウスピースが変形する可能性があります。

洗浄剤を用いたお手入れ方法・・・週に数回、マウスピース専用の洗浄剤を使用して、より徹底的に洗浄します。洗浄剤を使用することで、細菌や汚れをしっかり除去できます。

ココロデンタル西麻布でのマウスピース矯正治療

当院では、マウスピース型矯正装置を使用した目立ちにくい矯正治療に力を入れています。

治療前には、3DスキャナーとCT画像を使った精密な診査・診断を行い、治療後の最終シミュレーションを確認していただきます。治療に入るまでの費用は一切かかりません。

また、当院では「予防治療」を最も重要視しています。マウスピース矯正中の虫歯予防についても、患者様一人ひとりに合わせた丁寧な指導を行っています。PMTCと呼ばれるプロによる機械を使った歯のクリーニングも提供しており、しつこい歯石やバイオフィルム(汚れ)を除去し、最後にフッ素塗布で歯を強化します。

完全個室の診療室で、痛みの少ない治療を心がけ、患者様が安心して通院できる環境を整えています。西麻布バス停徒歩2分、広尾駅徒歩8分、六本木駅徒歩10分という好立地にあり、アクセスの良さも特徴です。

まとめ

マウスピース矯正中の虫歯リスクは、適切なケアを行うことで大幅に減らすことができます。

飲食中はマウスピースを外す、積極的に水を飲む、マウスピース装着前は必ず歯磨きをする、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する、フッ素塗布をする、マウスピースのお手入れをするといった予防方法を日常的に実践することが大切です。

もし治療前や治療中に虫歯が見つかった場合は、早めに歯科医師に相談し、適切な対処を行いましょう。虫歯治療を優先することで、マウスピース矯正治療をスムーズに進めることができます。

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、取り外しができるという多くのメリットがあります。適切なケアを行うことで、虫歯のリスクを抑えながら、理想の歯並びを手に入れることができます。

マウスピース矯正をご検討中の方、すでに治療を始めている方で虫歯予防について不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。患者様一人ひとりに最適な治療計画と予防方法をご提案いたします。

詳しい治療内容やご相談については、ココロデンタル西麻布までお気軽にお問い合わせください。

 

著者情報

ココロデンタル 院長 小林 弘樹 Hiroki Kobayashi

経歴

2010年 日本大学歯学部卒業

2010年 日本大学歯学部附属歯科病院勤務

2011年 大崎シティデンタルクリニック勤務

2015年 麻布シティデンタルクリニック勤務

2017年 ココロデンタル恵比寿

2021年 ココロデンタル西麻布

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